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Limit battle/4章~転機~

第51話~新展開~


恭也と高野のバトルはあっけない結果に終わった・・

S15が頂上に到達してPAに入って来た。

栄治「おい!スープラに勝ったんだな!?」

恭也「えぇ、彼。事故しました。」

栄治「え!?マジかよ!大丈夫か?」

恭也「あんなのほっといても平気でしょう。消しカスと同じなんで幾ら掃除しても出てきますから。」

栄治「そうか・・それもそうだな!アハハハハ!」

恭也「では、僕はコレで帰りますから。」

と、恭也が言った時高野のスープラが現れた。

右サイドが無残に傷だらけになっていた。

高野は勢い良くドアを開けてポケットに手を突っ込んでいた為脚でドアを蹴飛ばし閉めた。

恭也「乱暴ですねぇ。」

高野「おうおう!テメェ!俺様を事故らせやがったな!」

恭也「はぃ?貴方が勝手に事故ったんでしょ?僕はただそれを避けて差し上げただけです。クフッフフフ」

高野「・・・お前はただ俺に勝てないからって事故らせたんだ!そうに違ぇねぇ!」

恭也「・・無理な言いがかりは止せよ。お前マジでウゼェんだけど。本気でぶん殴るぞ?」

彼の言葉が変わった瞬間、彼の放つオーラも強烈に変わった。

高野(な・・何なんだよ・・ありねぇぞ・・この殺気・・!)

恭也「・・なんて、僕が言うと思います?クフフフフ。貴方が悪いんですよね?」

高野「ッチ・・今回はこのまま黙って帰ってやる!」

彼が大声で叫んだ時、修のランエボ、雅道のZ-tune、九条のチェイサー、瑠璃のGTOが戻って来た。

高野「おい!九条!瑠璃!帰るぞ!」

と、帰ると高野が言うと、瑠璃と九条が口を合わせて言う。

九条&瑠璃「ごっめーん!俺達チーム抜けるわぁ!アハハハハッ!」

高野「あ・・あ・・はぁ!?」

彼の叫び声はこだまとなった。


このバトルから2日後、修は大学に行っていた。今日は登校日であった。

修「あ゛~かったり~」

教室で自分の席で頭を机に付けて苦痛の声を上げていた。

美雪「修君。お昼一緒に食べない?」

修「あ゛~?いいよー。屋上行くか。」

美雪「うん!」

2人は弁当を持って屋上への階段を上がる。そして屋上の扉が見えてくる。

扉を開くとそこには殺風景の何も無い・・誰も居ない光景が目に入る。

修「誰もいねぇや。」

美雪「そうだね。ココってあんまり来ないんだね。」

修「だね。取り合えず飯飯!」

2人は屋上のベンチに座り弁当箱を広げ始めた。

修「いっただきマース!」

勢い良く弁当にガッツク修。それを見て美雪は笑っていた。

修「ゴクッ・・何笑ってんだ?」

美雪「何でも無いよ。ただ、イイ食べっぷりだなぁと思って!」

修「そうか?この食べっぷりならお前に幾らでも見せてやるぜッ!」

美雪「やだぁ~!アハハハッ」

2人は楽しみながら弁当を食べ終えた。

まだ時間はあった。

修(う~ん・・どうしよう暇だな・・)

美雪「ねぇ、修君。」

修「ん?何?」

美雪「その・・あの・・私達付き合ってるんだよね・・」

修「え・・あぁ・・そうだよ。」

照れくさそうに頬を掻く修。

美雪「じゃぁさ!今度デ・・」

彼女が言いかけた時、急に屋上のドアが開いた

真「おー!修!美雪!探したぞ!大変だッ!」

修「んだよ?どうした?」

真「里香が!里香が!」

修「里香がどうしたって?」

真「里香がぁ!あぁぁ!!」

彼は急に倒れ込んだ

美雪「真君!?何があったの?落ち着いて教えて!」

真「あぁ・・さっき、コンビニ行って来るって言ったから・・俺も付いて行ったんだ。そしたら、近くの海淵学院の不良に絡ま

れて・・里香が連れてかれちまった!そんで、返して欲しけりゃ佳山 修を呼んで来いって・・!」

修「なんだって!里香が・・って!?俺!?」

美雪「修君・・何したの!?」

修「何にもしてねーし!てか、どうして俺!?」

真「何か・・前文化祭でお前に言った事があったそうだぜ。アイツ名前不知火って言ってた・・」

修「文化祭・・あ!」

彼は思い出した。確かに文化祭である男に何か言われた気がした。でも、思い出したと言ってもその内容が思い出さない。

修「とにかく!今すぐ行く!」

美雪「その前に先生達に・・!」

修「それはお前等に頼む!俺だけ海淵に乗り込んでやる!」

彼は本気だった。真と美雪に『頼む!』と言って迷わずドアに向かって走り出した。階段を一気に駆け下り下箱で自分の愛用の

ブーツへと履き替えて走って海淵学院へと突き進むッ!


第52話へ続く。


第52話~応用~


修「はぁ・・はぁ・・!道のり・・キッツ!」

彼は今走っている海淵学院へと繋がる道は超急な坂の天辺にある為かなりキツイ―

修「へぇ・・はぁ・・見えてきた・・!待ってろよ!里香ぁ!」

彼が海淵学院の校門へと到達。すると、校舎に繋がる大きな階段に数十人の男と里香が居た。

修「里香ぁぁ!」

彼は走り出し、里香の所へ向った。

???「おいッ!佳山 修!待っていたぞ!」

修「!?」

???「俺は不知火 耕太だ!お前に様があるんだよ!」

修「はぁ?お前等に俺は何かしたか!?」

不知火「そうさ!お前は俺の狙っていた女を手に入れやがった!」




修「・・・・は?」

不知火「は?じゃねぇ!」

どうやら彼は修と美雪のあのシーンを目撃していたらしい。

不知火「だから!貴様とココで決闘を申し込む!」

修「・・・いいだろう。それで里香を帰してくれるのなら・・」

里香「ん~!ん゛んー!!」

彼女は口にガムテープをされ手と足にはロープで縛られていた。

修「里香。今助けてやっから!待ってろ!」

そして、修は不良の中へ入って行く。


不知火「殺っちまえェ!」

修「なッ!?お前!タイマンじゃねぇのか!」

不知火「っはっはっは!貴様!俺は決闘と言ったんだよ!誰もタイマンなんて言ってねぇよ!バーカ!ハッハッハッハ!」

修「ッグ!卑怯だ・・グワッ!」

すぐにも腹を殴られた修!

修「はぁ・・うッ―!」

また殴られる・・そしてどんどん人数が増え6人にリンチされた。

里香「んー!」

彼女はもがくが不知火に捕まっていて何も出来ない。彼女の頬に涙が伝う・・

修「はぁ・・はぁ・・コノ・・野郎・・がぁ・・」

彼はリンチの嵐が過ぎた後、しばらく攻撃をしてこない事を計り立ち上がった―

修「・・もう駄目だ・・切れた・・」

学院男子1「はぁ?この人数相手でどうやるのかなぁ?アハハ!」

学院男子2「待ったくだ!馬鹿にも程があるぜ!お前の彼女に無様な姿を晒してやんよ!」

修「・・あいにく・・アイツに見せるは止めて欲しいな・・カッコ悪い・・とは言うものの止めはしないか・・ならッ―」

―と!彼は目の色を姿勢を低くして集団の中へ入って行く!

学院男子1「っは!こしゃくな!」

学院男子3「殺すぜェ!」

修「ウォォォォオ!」

学院男子2「な!?」

修「らぁ!」

彼の素早い右パンチが炸裂!相手の溝落ちに直撃した!

修「・・次ぃ!」

学院男子1「調子にノンな!」

男達の連続のパンチを軽快にかわして行く修!たまに当る事もあるがそれは掠るだけ!


瞬く間に修は6人全員の溝落ちへ強烈なパンチを入れ戦意喪失させた。

修「はぁ・・はぁ・・うッ・・あぁ・・さぁ・・里香を返して貰うか・・」

不知火「ッグ!分かったよ!そらよッ!」

修「!?」

不知火は里香を階段の上から突き落とす!

修「ッ里香ぁ!」

彼は痛む体にムチを入れ階段を一気に駆け上がり里香を受け止めた!

修「はぁ・・大丈夫か?もう大丈夫だぞッ・・!」

里香「んんッんー・・」

修「そうだな・・先に口のガムテープを・・」

ゆっくりと口に付けられたガムテープをはがす修。

里香「修君!傷は大丈夫!?私のせいで・・ごめん!」

泣きながら修に言う里香・・そこへ不知火が―

不知火「おーおー。イケメンはいいねぇ!女の子に人気だよ!マジで腹立つ!」

修「関係ねぇだろ・・所でアンタ。俺はお前の要求を飲んでアイツ等と喧嘩したんだ・・今度は俺と違うモノでバトルしろ!」

不知火「あぁ?だったらお前の大好きな車でどうだ?」

修「その条件で行こ・・」

真「待てェ!その勝負俺がやる!」

彼が言おうとすると、真の声が聞えたッ―


第53話へ続く。


第53話~リトライ~


不知火と修が勝負をすると言った時、真の声が聞えてきたのだ―

真「その車の勝負!俺が受けて立つぜ!」

不知火「誰かと思えばさっき逃げた腰抜け君じゃねぇか!へタレが何の用だ!?」

真「確かに俺は逃げた・・だがッ!今度は逃げない!車勝負なら喧嘩が弱い俺でも勝ち目はあるって事なんだ!」

修「真・・」

里香「真君・・」

2人は真を見つめたままただ呆然としているだけであった。

修と里香の下へ駆け寄ってくる真。

真「修・・悪かったなぁ・・怪我しちまったな・・俺のせいだ・・」

修「いいよ・・コレは俺がした事、お前のせいでも無いし誰のせいでも無い。」

真「修ッ・・!里香ぁ・・無事でよかった・・」

彼の頬に涙が流れる。悔しくて泣いているのだろう。

修「それにしても、勇気出して良く来れたな。」

真「当たり前だろ!親友がやられてるのに黙ってほっとくのは親友じゃねぇ!」

修「・・サンキュー」


不知火「オイオイオイ!何友情に浸ってんだ!テメー等!おい、そこのへタレ!今日の夜11時に阿神峠でバトルしてや

るからな!さっきみたいに逃げるんじゃぁねぇぞ!」

真「あぁ!逃げやしないさ!」

約束が終わり自分達の大学へ足を向けだした修達・・修はボロボロだった為、真と里香が肩を貸して連れて行った。


大学に戻ると美雪が心配そうに待って居た。

美雪「修君!」

彼女は駆け寄って修の元へと駆けて来る。

修「よ・・よう。俺カッコ悪ぃな・・ボロボロだ・・」

美雪「そんな事ない!里香ちゃんも無事に帰ってきたんだもん!」

里香「そうだよ・・修君は凄いよ!」

真「・・あぁ!そうだぜ!俺でも怖くて怖くてしょうがなかった奴等に立ち向かったんだから・・!」

修「っへ・・ありが・・っと、先生達のお出まし・・か」

彼等の前に教師達4人が来た。

先生「上野!佳山!無事だったか!」

修「えぇー、里香は回収して来ましたー・・へへ」

先生「回収って言い方は無いだろ!それにしてもお前!怪我してるじゃないか!」

修「コン位・・平気ですよ・・」

美雪「とりあえず保健室に行ったほうがいいよッ・・!」

先生「そうだな・・保健室でこの一件の話は聞かせて貰うから。」

修「はい。」

先生達と美雪達に付き添われ保健室へと向う。


保健室には教頭と校長が出迎えた。

校長「上野君に佳山君!無事で何よりだ・・」

修「へへ・・大丈夫ですよ。ご心配お掛けしました・・」

彼はそのままベットに寝て里香と一緒に先生達に今回の一件の話を全部話した。

修「―と、言う訳です。」

校長「そうか・・そんなくだらない理由で・・!」

しかし、校長はこの話を聞いて修に重い一言を浴びせた。


校長「佳山君・・如何なる理由でも、他校の生徒を殴ったんだ・・君は退学だ。」

修「・・・」

里香「そ・・そんな!それはあんまりですよ!」

修「いいんだ。」

彼は重い口を開いて精一杯の笑顔で言った。

修「・・お前だけでも無事だったんだ・・俺は友達の為にやった事を悔いはしないさ・・だから、俺の分も頑張って

・・ココで学んでけよ・・!」

彼はすぐに先生達の方を向いて答えた。

修「・・お世話になりました。俺は今から家に帰ります。」

校長「コレは学校の決まりだから・・仕方ない・・だけど、我が校の生徒を救ってくれた事は誇りに思う・・ありがとうッ!」

校長は修に頭を下げた

修「先生・・頭を上げてください。」

彼はそっと校長の肩へ手を置いて言いかける。


修は教室に帰って荷物を整理しだした。周りの生徒は修の傷を心配した。

クラスメイト1「佳山・・大丈夫なのか?」

修「あぁ。平気だ。」

クラスメイト2「でも、何で荷物まとめてんだ?」

修「え?あぁ・・校長から言われてね・・俺今日を持って学校退学になってさ・・ハハハ!仕方ないよな!どんな理由で

も他校の生徒を殴っちまったんだもんよ!仕方・・仕方ねぇよ・・な・・」

あまり涙を流す事の無かった修はこの時涙を流した―

美雪「修君・・」

真「・・糞!俺のせいだ!」

彼は自分の机を思いっきり殴った・・何回も何回も・・その悲痛の叫びにも聞える大きな音は鎮まり返った教室に響く―

修「・・じゃ、皆。頑張ってや・・俺もココを出てっても応援してるから・・」

彼はそう言い残すと走って教室を飛び出した。クラスのメンバーは”修”や”佳山!”と呼び止めようとするが誰も引き止め

る事は出来なかった―


その後、家に着いた修は家に居た陽介と香苗に全てを話した。

陽介「・・そうか。それなら俺は何も言う事は無い。」

香苗「それよりも修君怪我大丈夫?」

修「へっちゃらさ・・こんなの唾付けとけば直るさ。」

陽介「でも、そこで諦めて逃げたら俺がお前をボコボコにしてな。それでも男かぁ!ってね!アハハハハ!」

陽気に笑う陽介。

陽介「ま、過ぎた事は気にするなよ?コレから新しいモノを早く見つけてそれに向かって走ればいいじゃないか。なぁ?」

修「あぁ・・でも、しばらくは俺・・何も出来ないかも・・」

陽介「気長に待てばいいさ。でも、明々後日サーキット行くんだろ?それまでには元気になれよ。」

修「うん・・じゃ・・俺・・部屋に居るから・・」

彼は立ち上がって部屋へと帰って行った。それをただ心配そうに見つめる香苗。陽介はジーッと修の背中を眺めて

いるだけだった・・


第54話へ続く。


第54話~暗黙~


部屋に閉じこもってからトイレや食事の時にしか出てこない修・・それを陽介と香苗は少し心配していた。

陽介「アイツ・・大丈夫かな・・」

香苗「無理も無いよ・・」

陽介「・・そっとして置いてやるか・・」

2人は心配していても修に掛ける言葉は無く、ただそっとして置いて上げるしか出来なかった。


修「・・・」

彼はずっとベットに寝っころがって天井を見ていただけだった。

修(俺は間違っていたのだろうか・・でも、あそこで行動起こさなければ里香は助からなかったのかもしれない・・)

糞!と言い自分のすぐ横の壁を叩く修。

修「何時までもグダグダしてても拉致があかねぇ・・11時だし・・峠行くか。」

彼は部屋を出て階段を下る。

陽介「お、元気が出たか?」

修「あぁ。お陰様だ。」

陽介「そうか。良かった。今香苗が飯作ってくれたんだ。食えよ。」

修「え、あぁ。貰うよ。」

彼はリビングに用意された食事を食べ始めた。

香苗「修君。御代わりはあるからね~」

修「あぁ、ありがとう香苗義姉さん」

黙々と食べ初めて数十分後、彼は間食。そして、すぐにガレージへと向った。

すると、そこには陽介が居た。

修「あれ、兄さん。どうした?」

陽介「阿神行くんだろ?俺の車の助手席に乗ってけ。」

修「え?ッて事は兄さんが運転?」

陽介「駄目か?」

修「駄目じゃねぇけど・・また何で?」

陽介「お前に教えてやるんだよ。ドライビングを。」

修「!!」

彼は喜んだ。そして陽介のS15の助手席に乗り込んで出発した。


阿神峠頂上。そこにはもう不知火と真が居た。

真「約束通り来たぞ・・」

不知火「どんな車かと思えば・・ッハ!ポンコツの旧式Zかよ!笑っちまうな!」

真「馬鹿にするな!俺のZはお前のその小汚いS14なんかと一緒にすんな!」

不知火「お前のZの中がどんなモノかは知らねぇが!ポンコツには負けねぇよ!」

真「とことん馬鹿にしやがって・・!」

と、ここで1台のエキゾーストが聞えてくる―

そうッ!陽介のS15だった!

不知火「何だ・・このRBサウンド・・GT-Rか!?」

真「知るか。この辺でGT-Rって言ったら・・いねぇからな・・」

2人の前に白いヘッドライトの光が見えてくる―

S15の白いボディが2人の目に入る。

真「S15・・見た事無い・・」

不知火「・・シルビアか・・って事はエンジン換装か?」

S15は2人の居るPAへと入ってくる。

車からはまず陽介から降りて来て次に修が降りて来た。

真「修!」

修「よう。」

真「良かったぁ!このまま会えないんじゃないかって・・!」

修「親友とあのくらいで別れる訳ないじゃないか」

不知火「誰かと思えば・・お前か!佳山!」

陽介「・・・」

彼は黙って不知火を睨んだ。

不知火「な・・なんだよ・・お前!」

陽介「修の兄貴だ。修の言ってた不知火ってのはお前だな?」

不知火「そうだ!俺が不知火 耕太だ!」

陽介「別に、覚える気も無いから名乗らなくていいよ。ダルイし。」

不知火「なんだとぉ!?」

陽介「真・・クンだっけ?この勝負俺がやるよ。」

真「え・・?」

陽介「俺の弟の敵と君の熱意・・全て俺に預からせてくれ。それに、アイツ。君のあの珍しい240ZGを潰しかねないし。」

真「わ・・分かりました。」

彼は仕方なく勝負を諦めた。

陽介「ああ言う太刀の悪い奴は慣れてるから・・・」

そう言い不知火の前へ出る。

陽介「相手変更だ。俺がやる!」

彼の凄まじい闘気が不知火を襲うッ!


第55話へ続く。


第55話~伝説級~


阿神峠頂上で今陽介と不知火のバトルが始まろうとする。

陽介「バトルのやり方はお前から先にスタート。その後俺が出てバトル開始。んで、お前が俺をブッ千切るか先にゴールに

辿り着くか。俺がお前を前に出てゴールに着くかお前を抜いてブッ千切るかで勝負は決まる。いいな?」

不知火「いいのか?お前に勝算ないじゃねぇか?」

陽介「ん?問題でもあるか?」

不知火「・・ねぇよ!さっさとやるぞ!」

陽介「修。お前は俺の横に乗れ。真クン。君は・・悪いが待っていてくれ。」

真「あ・・はい。」


2台のシルビアは頂上のスタート地点へ並べられた

不知火「んじゃ行くぞー!」

S14はホイールスピンさせてスタート!

陽介「確り捕まってろ?俺久々だから最初は勘掴みからだ・・」

S15は無駄の無いロケットスタートでスタート!

修(グォ・・!?何だ・・この加速!?)

陽介「よぉし・・スタートは問題無いな。」

S15は最初のストレートを抜け連続ヘアピンへ!

修(なッ!突っ込み・・過ぎだ!!)

陽介はノーブレーキだった!ただのアクセルオフとオンで車をドリフト操作!常人ではありえない!

修「嘘・・だろ?!」

陽介「嘘なもんか。コレが・・現実だ!」

彼は次のヘアピンもまたアクセルだけで操り無駄なくドリフトして行く!

前を走る不知火・・後ろのS15が近づいて来るのを分かっていた

不知火「・・速いな・・だが、勝てない相手じゃない・・!」

S14も連続コーナーでドリフト!

しかし!陽介のノーブレーキでのドリフトでかなりS15が追い付いてくる!

2台はドリフトでコーナーをクリア。しかし、コーナーの立ち上がりは陽介の方が数倍速い!

修「あっという間に・・」

陽介「追い付いた!」

そして、左ヘアピンで陽介のS15は完全にS14の後ろに喰い付く!

不知火「何てこった!ありえないだろ!?どうしてこんなに速いんだ!?」

彼の動揺が車に現れた。S14はブレーキングでミスを起こしドリフト中でフラ付く!

陽介「今だな・・」

ボソッと呟いた陽介。すると、アクセルから離していた右足を思いっ切り踏み込む!

ググッと地面に密着するような立ち上がりでインを突き前へ出る陽介!

不知火「こんな速い展開って・・ねぇだろ!」

彼は何とかS14を立て直してすぐにS15の後ろへ―!

不知火「どうしてそんなに速い・・!その秘密を教えろ!」

彼はS15の後ろに付いて陽介の走りを徹底的に見る事にした。

連続ヘアピンを抜けストレートへとでる2台。エンジンパワーで陽介のS15が少し引き離す。

そして、右コーナー!そこで不知火は目撃した!

不知火「な!?ブレーキランプが光らない!?」

S15はスライドをする!何も切っ掛けを作らず・・走りは常人の不知火には理解不能だ!

陽介「・・さぁ、お前も上には上が居るってのが分かったかな?不知火クン。上に居座るには頂点に君臨する

偉い奴を玉座から振り落とさなければその玉座には触る事も許されない。自分の事を高く評価するのは自由だ。でも、

周りを考え、仲間を信じ、自分と相手を等しく思わなくては上には立てないんだよ。」

彼の呟きにも聞えるその喋りは修にも響いた・・

陽介はその後、軽く流したっと言っておきながら結局不知火と5コーナー差を付けたて勝利した―


修「ありえねーって!」

陽介「アッハッハッハ。ブレーキ踏まないでドリフトってそんなに珍しい?」

修「そーゆう問題じゃないのッ!」

陽介「どういう問題?」

腕を組みながら頭を横に向けて考え込む陽介。

S14が麓のPAへと帰ってくる。

不知火「・・・完敗だ・・!」

陽介「・・どうやら、懲りた様だね。コレに反省したらもう悪い事したら駄目だぞッ、不知火クン。」

不知火「・・ハイ。ホントすみませんした。」

陽介「よろしいッ!」

彼はニコニコして不知火と話をした。


第56話へ続く。


第56話~問題ばかり~


荒事が過ぎ一段落付いた修・・明日はとうとうEIJI SPEEDとRfactry主催のサーキットイベントだ。

修「はぁ・・明日大丈夫かなァ・・」

彼はベットの上で考えていた。

修「うん~・・学校辞めてからあまり友達にあってねぇな・・少し学校の前まで遊びに行って見るか。」

彼は体を持ち上げてベッドから降りて部屋からでていってガレージへ向う。

その途中、香苗に会った。

香苗「修君お出かけ?」

修「ん?うん。ちょっと学校の方まで。辞めても名残惜しいからさ」

香苗「そういえば、学校の方に最近新しく出来たユニクロがあるんだってね!一緒に良ければいかない?」

修「いいよ。暇だったし。どうせ一人で居ても行くとこねーし。」

香苗「決まりね!」

2人は支度を済ませて修のランエボに乗り込む。

香苗「・・やっぱり凄いね・・このエボ・・」

修「よく言われる。ココまでガチ仕様ならそう言わない方が可笑しいよね。ハハハ。」

香苗「そうね!ハハハ」

ランエボのエンジンが掛かりガレージを出た。


由比ICをETCで簡単にスルーし高速へ乗る。

快適に飛ばしてあっという間に焼津ICへ到着・・そこから降りて一般道から静岡へ向う。

香苗「何で焼津で降りたの?」

修「だって・・高速ばっかりだと同じ風景でつまんねェからさ。」

香苗「なるほど。」

信号が赤になりランエボを停車させる修。横断歩道を渡る人達から修のランエボを見る視線があった。

香苗「み、見られてるね・・」

修「慣れちゃったよ。」

横に停めて来たハイエースからも運転手がジロジロ見てくる。

信号が青に変わると、ランエボは並んでいるどの車よりも速い加速で走り去って行く。

香苗「す・・凄い加速Gね・・!押しつぶされるみたい!」

修「序の口序の口」

彼は彼女の反応に楽しんでいるのか軽快な口調で言う。


しばらく走ると大崩海岸が見えてきた。

修「大崩か・・結構路面ヤバイな。」

香苗「ねぇ・・ガタガタしてるわ。」

と、彼女は反対車線から聞えるエキゾーストに気が付いた。

香苗「ねぇ、何かスキール音とダブってエンジン音聞こえない?」

修「・・・確り何かに掴まってて・・!」

彼は前方から来る車に全神経を集中。

前からは1台の白いFDがブラインドコーナーから派手なドリフトで現れた!

修「うわァ!?アブナ!」

香苗「キャアッ!」

FDはRmagicのフルエアロを装備、RE雨宮のカーボンGTウィングを付けていた。ホイールはREYSとしか分からなかった。

しかも、右サイドウィンドウのドアを全開で片腕を突き出して左腕のみでドリフトコントロールしていた。

男は良く見ると頬に赤い物がベッタリくっ付いていて、タバコを吹かして居る

修「こんな白昼堂々と・・あぶねぇな・・しかもこんな狭い道で・・」

FDは修のランエボと擦れ違って焼津方面へ走り去って行く。

大崩海岸を下り切った所の浜で一息付く為車を停めて修。そこで一旦車から降りて香苗は浜を見つめていた。

香苗「わァ・・焼津の海って・・駿河湾って広いな!」

修は飲み物を買って香苗の下へそーッと近づいて彼女の頬へ冷たい紅茶を当てる

香苗「冷たッ!もぉ!修君!陽介みたいな事しないでよ!」

修「ハハハ。兄さんもするんだ。」

香苗「うん。飲み物買ってきてって言うといっつもそう!」

修「そうなの?兄さんもそうかァ・・やっぱ似てるかな。」

香苗「似てる似てる!てか、似すぎ!」

と、彼女言い張った時たくさんの救急車のサイレンの音が響いた。

修「何だ?」

香苗「なんだろう?」

2人はランエボに乗り込んでサイレンの方へ走り出した。


サイレンの鳴る方へ到着した2人は愕然とした。

修「な・・なんだよ・・!?」

香苗「酷い・・!」

彼等の目に映った光景は暴走族の集会場でそこに溜まっていた族約40人がボコボコにされている光景だった。

修「あの・・何があったのですか・・?」

ギャラリー「しらねぇのか?この族達をやったのはあの全国統一した最強の族の頭の”不死身の市山”だぜ!」

修「市山・・」

ギャラリー「今では族を抜けて白のFDでドリフト族をやってるんだってよ。」

修「・・さっきの・・!?」

この暴走族を無残な姿にした”市山”とは・・一体・・!?


第57話へ続く。


第57話~悪魔との出会い~


修達は野次馬の中から抜け出して静岡のショッピング街へと向かい、数十分後付いた。

修「へぇ・・店が多いな。」

香苗「ちょっと!修君!あの服安い!キャー!あのブーツも!」

修(やれやれ・・)

彼は呆れた顔でため息を付いて香苗の後ろを付いて歩く。

香苗「ちょっと、修君。これ買ったから持ってて!」

修「もう買ったの!?」

彼は香苗の荷物持ちとしても立派に役に立っていた。

香苗「あ!あれもー!」

修(おいおい・・買い過ぎだ・・!)

呆れすぎて物も言えなくなった修はとりあえず持ちきれなくなった荷物をランエボに置きに来た。

香苗「全く!まだもてるじゃない!」

修「持てるかァ!」

香苗「ご、ゴメンゴメン・・じゃ、荷物置いて・・さ!」

荷物を置いてまた買い物へ出かけ沢山の荷物を抱えて数時間後戻って来た修達。

香苗「今日はありがとうね!じゃァ、後は修君が学校まで暇潰しに行くだけね!」

修「あァ。久々に見に行きたいからね。」

立体駐車場からランエボを修の元大学へ走らせた。


しばらくして大学が見えて来た。

修「・・・少ししか立ってないのに懐かしいや・・辞めるってこう言う事か・・」

香苗「修君・・」

しみじみした空気が流れた―

すると、学校から3人の人達が出て来た。

修「・・真ッ!」

真「あ!修じゃねぇか!」

真以外にも美雪、里香が居た。

美雪「修君!良かったァ・・連絡くれないから心配したんだよッ!」

里香「修君無事だったんだね・・私のせいで退学になっちゃって・・」

修「まーまー、気にすんなよ。俺だってこの先フリーで終わるつもりは勿論ないし・・コレを期にレーサーの道にでも

走っちゃおっかなァ・・なんてね・・ハハハ!」

真「バッカでー!お前がプロになれっかよ!」

修「言ったなァ!コノ野朗!」

真「わー!バッキャロー!痛ッ馬鹿!苦しい!死ぬー!」

場に居た全員は2人のお陰で元気が出た。

車の無い真達は笑いながら別れ、修と香苗は車で由比まで帰る。行きに来た道と同じ様に。


大崩海岸へと差し掛かるランエボ・・麓の海上橋の所に白いFDが・・Rmagicのフルエアロを装備している・・

昼間見たFDと同じだった!

修「アレは・・」

香苗「無視して行こうよ・・!」

焦る様にして修に言う香苗。確かに、あの男がどれ程危険な人物かは昼間のあの事件で知った。

だから修は香苗の事も考えてそのまま素通りする事にした。

―だがッ!ランエボがFDを無視して走り去った瞬間、FDがスピンターンしながらランエボを追いかけてくる!

修「うわァ・・!何で追ってくんだよ?!」

彼はスピードを上げるが全く引かないFD!むしろ、修が全開で逃げているのに対してFDはまだ余裕の走りをしていた!

修「っく・・そこの喫茶店に寄るか・・」

ランエボはウィンカーを出して喫茶店の駐車場へ入る。

???(ん?何だよ・・終わりかよ・・しゃーねー。)

FDも一緒に喫茶店へと入る。

修と香苗は車から降りてFDから男が降りてくるのを待った。

???「よぉ。兄ちゃん。いい車転がしてんじゃん!見ててスガスガしいよ!」

修「ど・・どうも・・・俺は佳山 修です。こっちは兄の妻の香苗さん。貴方は?」

???「俺か?俺は”市山 翔希”だ。この辺じゃっちったァ名前知られてるとは思うがね。あ、一応俺売れっ子イラスト

レーターなんで!まー暇があったら俺の絵でも買ってみてくれや!」

修「あ・・はい。と・・所で貴方は何で走り屋になろうとしたんですか?」

市山「・・理由は2つあるな・・一に族でもうするこん無くなったからこっちに足を伸ばした。最後に友達にな・・青いR34

に乗ってる日本平で最速の男がさ、族よりこっちが面白いって言うからさァ・・まァ、親友の言葉を信用して走って見て

ビックリよ!こりゃ楽しいのなんの!そしてさ、走り始めて3週間で大崩最速って言ってる奴倒して俺がココの最速になった

の。今は”Project.S”ってチームをやってんのよ。俺にしちゃァ楽しいこんよ!」

修「へぇ!プロSって言ったらあの超有名なチームじゃないですか!」

市山「まーな。でもよ。それは表での顔だよ。俺は裏では全国の族絞めてんのは変わんねーけんな!ハハハ!」

彼の高笑いはかなり怖い響だった・・

3人は結局この後その喫茶店でお茶をして意気投合した。

見た目は怖い市山だったが、中身は修達と何等変わらない普通の人間だった。


第58話へ続く


第58話~DEATH・GAME ~


市山と言う男と会話を終えて修は香苗を連れて自宅へと到着したのは2時間半後であった。

すでに陽介は帰宅していて居間でテレビを見ていた。

陽介「お帰り~。何処行ってたんだ?」

香苗「ちょっと静岡まで買い物行ってたの。で!コレ見てよ!このブーツ!普通2万のが1万ポッキリよ!」

陽介「へぇ~無駄使い好きだねぇ。」

香苗「何よー!」

修「ハハハ。俺ちょっと出かけてくっから飯はいらねーよ。外で食うから。」

陽介「分かったよ。でも明日はサーキットだろ?早めに帰って来いよ。」

修「はいはい。」

彼はそう言ってまたランエボに乗り込んで家を後にした。


彼は阿神峠のコンビ二に寄って飲み物と握り飯を購入。コンビニの自動ドアを出てランエボに乗り込み中で

買った物を食べ始めた。

修「ん~。コレはかなりうめぇ。やっぱタラコはいいなァ。」

一人で美味しさに浸ってると同じ駐車場に停車してくる赤いスープラが目に入る。

修「・・・あの嫌でも目に入るスープラ・・まさか・・」

そう、またあの高野の車だった。

珍しく1台での遠征か?スープラからは高野が降りて来て修のランエボに気が付く。

高野(あのエボ・・佳山かッ!?)

彼は修のランエボをガン見して来て、せっかくの美味しいタラコおにぎりを喰っているのに・・と呟きながら

ランエボから降りて『なんだよ?』と言う。

高野「オイ、何で貴様がココにいんだよ!」

修「何でって・・お前・・ココは俺の地元だぜ?それを言うならお前こそ何でココに着たんだよ?」

高野「・・この峠にはいい女が居るって噂が箱根にも流れて来てよー。特に青いER34の女が超マブイって事で

確かめたくて着たんだよ!文句あっか!?」

修「いや・・文句はねぇけどよ・・ただ・・何で俺に絡んで来るんだよって事だけ。」

高野「ったりめぇだ!あの屈辱は忘れネェかんよ!」

修「・・・てか、スープラ直ったんだ。」

高野「・・あァ。結構金掛かったけどな。」

修「へぇ。」

2人は言葉が無くなりしばらく黙ったままお互いの車を眺めていた。

すると、高野が修のランエボを見て気が付いた。

高野「ん?何だ?お前の車・・このリアに張ってあるステッカー・・DESTINYって・・」

修「え?あぁ。コレは栄治さんのチームのステッカーだよ。店のステッカーが丁度切れてたからって事で

変わりにチームのステッカー貼ってくれたんだよ。でも、俺はチームのメンバーじゃねぇからご心配なく。」

高野「っけ。そうかい。ビックリしたぜ。って!もしかしてあの時の奴等DESTINYだったりすんの!?」

修「そうだけど・・気が付かなかったの?」

高野「あ・・あぁ・・通りで速い訳だ・・」

と、2人の耳に甲高いロータリー音が鳴り響いた。

修「ロータリーか?」

高野「あの白いFDか・・うっせぇな。」

修「あ!アレは市山さんのじゃ・・」

高野「市山ぁ?誰だそれ?」

FDは修に気が付いたのかランエボの横に並べて停車した。中から市山が降りて来た。

市山「よう!カヤッチ!またあったな!」

修(カヤッチって・・)

市山「いやいや、お前と話しててさ阿神って聞いた時ピンと来てよー!阿神っていい女多いって聞いた事あってさ!」

修(この人・・高野と同じ事言ってる・・)

高野「オイオイ!そこのチャラけたアホ面ぁ!目障りなんだよ!」

この一言で市山はプチっとなった。

市山「・・あ゛ぁ?ブチ殺されたいんか?」

高野「おうおう!上等吹かしてんじゃねぇよ!」

市山「イきがってんじゃねぇぞコラァ!上等じゃボケェ!テメェそこまで言うならこの落とし前付けられんじゃろう

なァ?あぁ!?」

高野「やってやるよ!」

市山「んならバトルと行こーじゃねぇか!言っとくがな、俺がお前みたいなガキとやるときゃぁ度胸試しをすんのよ。

ま、お前が丸腰じゃなけりゃ勝てると思うがな!」

彼の言葉に高野もまたカチンと来て地獄の扉を開いてしまった・・

高野「んだと・・テメェ!マジで切れたぞ!その度胸試し買った!」

その言葉にニヤッと不気味な笑いを見せた市山―

市山「クックック・・・そのバトルってのはなぁ、由比港までの直線・・そうだなぁ・・1キロって所か?それを

全開でブッ放して信号無視の死のゲームだ。そんでもってよぉ、港ギリギリで停めたモンの勝ちだ。どうだ?」

高野「ッ・・!?」

修「お・・おい、高野・・辞めとけ・・死ぬかもしれねぇぞ・・!」

市山「そうだ。カヤッチの言う通り、コレは命が無くなる確立が高い。死にたくなきゃぁ黙ってその赤いスープラに

乗って犬小屋へ帰った方がいいぜ?ヒャハハハハハッ!」

高野「う・・ぐッ・・!じょ・・上等じゃねぇか!帰り打ちにしてやんぜ!」

市山「・・そう来なくっちゃ・・へへ・・」

彼は不気味な笑いを絶やさず高野にまた追い込みを掛けた。

市山「あ、言い忘れたけど、俺このバトルで負けた事ねぇんだわ。」

高野「な・・にぃ・・ッ?!」

彼は市山の言葉に多少気持ちのブレが出た・・しかし、市山相手に上等切った高野は後には引けなかった・・もう逃げれない

事を悟り、高野は勝負を飲んだ―


第59話へ続く。


第59話~デスシグナルレース~


白いFDと赤いスープラが由比港までのストレート・・1キロ地点へ到着した。

市山「いいか?ここから港まで信号は5つある。アクセル踏んだらたとえ信号が赤でも抜くんじゃねぇぞ。」

今2人が並んでいる場所は信号が青・・2台の後ろにはたくさんの車が並んでいた。

トラック運転手「おいッ!さっさと進め馬鹿野郎!」

市山「あぁ?」

物凄いメンチでトラックの運転手を睨み付けた市山・・その恐ろしい顔面にトラック運転手は怯む。

市山「っさ・・やるぞ?カヤッチ。お前はココで待ってとけ。」

修「最初ッからそのつもりですよ。」

市山「そりゃ悪かった!」

彼は笑顔でFDに乗り込んでアクセルを吹かし始めた。

信号が赤に変わり次の青でスタートであった・・

高野(マジかよ・・こんなレースやった事ねぇ・・本当に死んじまったらどうするんだよ・・!?)

一人で焦る高野・・しかし、もう遅い。逃げ出したら市山に何をされるか分からないからだ・・もうやるしかない・・!

そして・・横断歩道の信号がチカチカしだし、スタートまで後わずかッ!


数秒後、信号が青に変わったッ!

市山「ヒャッホォォォォォイ!!!」

FDはかなり速いスタートを見せた!高野のスープラもホイールスピンさせてスタート!

高野(ッグ・・!)

FDとスープラはすぐに次の信号に突っ込む!しかも、行き成りその信号は赤!交通車が沢山行き交う中、FDは迷わず突っ込む!

高野「げぇ・・!この4車線の道を抜けやがった!?」

だが、高野も何とかクリア。信号無視の彼等のマシンを避けようと事故を起こし、玉突き事故になった車が10台を超えた。

市山「やるねぇ・・初めての割りには・・よッ!」

FDのシフトをムチの様に上げ、さらにスピードを上げて行く!

高野「おいおい・・事故が・・それに次の信号も・・赤!」

だが、丁度良く信号が青いに変わった。

2台の高速で走るマシンが過ぎ去った交差点でそこに居た一般者の運転手達が「な・・何考えてやがんだ!?」と口ずさむ。

高野「ッ・・このペースだとあっと言うまに海に・・!」

3つ目の信号・・こちらは丁度信号が赤に変わった所・・交差点からトラックが曲がってくる!

市山「おー!」

彼はFDのブレーキを踏み車を滑らせてトラックのフロントと自分のFDのフロントを掠めて避けた!

トラック運転手「うわぁぁぁ!!!!」

FDの暴走行為にトラックは電柱柱に突っ込む!

高野「ヒィ・・エグイやり方しやがる・・でもアイツもうあんな前に・・!」

彼も安全を確保した後アクセルを踏む・・すると、彼のスープラの後ろの方からパトカーが現れた!

パトカー『前の車2台!暴走行為をやめて都停まれー』

高野「やっぱ来たー!!!」

半分泣きながらアクセルを緩めない高野・・


そして、長いような短いような1キロのこのレースの大詰め、港が見え来た!

市山「さ・・行っか・・」

彼はその言葉と同時にサイドを引き車を回す!

高野「うわぁ!回りやがった!」

彼はそれを見てブレーキ!

FDはスピンしながら減速!スープラは普通にブレーキで減速!勝敗は!?



スープラは軽自動車1台分のスペースを空けて停まった。が、しかし。市山のFDはわずかタイヤ一個分のスペースで停まった!

高野(何だよ・・ありえない・・あそこまで詰められるなんて・・)

だが、問題は終わっちゃ居なかった・・パトカーが4台も現れて包囲されていた。

高野「っく・・!捕まりたくねぇが・・」

彼は諦めて扉を開けようとした瞬間、誰かに扉を押さえられた・・

高野「!?」

その男はフルフェイスメットを被った市山だった。

市山「おい、男が諦めんなよォ。お前はココで事が終わるまで待ってとけ。」

彼はそう言い警察のパトカーの方へ歩いていった。

市山「オォイ!!ポリ公よぉ!邪魔してんじゃねぇぞ!あぁ!?」

警察に向かって暴言を吐いた市山・・警察もそれを黙っている訳がなかった。

警察「貴様ッ!警察に向かって何を言ってるか分かってんのか!?」

市山「あぁ!知ってるよ!税金泥棒のテメェ等に上等吹いてんだよコラァ!」

警察「何ィ!?」

と、その瞬間ッ!市山は持っていた鉄バットを振りかざしてパトカーのボンネットを破壊した!

警察「ッ!?」

市山「テメェ等フルボッコの刑だァ!ッハッハッハ!!!」

大声でそう言ってパトカーを潰した後、近くに居た警官から片っ端に警官をボコボコにした。

高野(す・・すげェ・・)

数分で警察は全滅し、ヘルメットを外して高野の方へ歩いて来た。

高野(ヒィィ・・!!!殺される・・!!)

市山「よぉ。今回は多めに見てやるからさっさと俺の前から消えろやカスが。」

高野「は・・はい!申し訳ございませんでしたッ!」

半泣きの潤んだ瞳で市山に謝る高野。市山は鼻からため息をして高野のスープラが帰って行くのを見てスープラが

消えた後、自分もFDに乗り込んでその場を去った―


第60話へ続く。




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